前にご報告させていただいた後も、私どもは引き続き、決して諦める事なく、専門家のご意見を伺いながら、滑りを防ぐための方策を模索してまいりました。
特に、洗剤の類については、本当に数多くの物を取り寄せ、テストを繰り返しましたが、どれも満足のいく結果を得るには至りませんでした。
最終判断を下す段階においては、某温浴洗剤専門業者の社長様より、こちらがよほど困っていて気の毒だと思われたのか、絶対に教えたくはなかったであろうある手法について助言を賜り、直ぐに試してみたところ、なるほどそれまでの他のどの方法よりも、一時的に大きな効果は得られましたが、やはりどうしても100%の改善は見られませんでした。
その方からいただいたお言葉を、そのままお借りしますと、「アルカリ泉、及び硫酸泉は、入浴後お肌がすべすべして、とても好評な泉質である反面、特有のヌメリを生じさせ、同じ様な悩みを抱えておられる関係者は少なくない」。
また、木のお風呂はお掃除の際、お湯を抜いて、長時間乾燥状態におくと、歪みやひび、割れのリスクを加速度的に高めるのだそうで、この点は間違いでなかった事を確認できたのは、思いがけない収穫でした。
結論として、努力はしたものの・・・というのは、大変無責任かつ残念なご報告になってしまいますが、するべき事は一通りしてみた、という確固たる自負はございますので、どうかご理解のほど、よろしくお願い申しあげます。
実質的に施せる対策としては、浴槽側面に注意喚起の張り紙をさせていただいたほか、お客様の安全を第一に考え、趣を損なわない程度のゴム製のマットを、最も滑る縁の部分に設置させていただきました。
今回の件は、知らなかった事を、色々と勉強させてもらう契機となり、ご指摘をいただいて、とても参考になりました。
今後もお客様から愛される、居心地の良い温泉の在り方を、真剣に考えてまいりますので、よろしくご教示願います。