平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます。
このお盆期間中も、「東北湯けむり紀行」などで取り上げていただいたお陰でしょうか、かなり遠方からわざわざお運びくださった方も多かったようで、併せて帰省中の貴重なお時間を割いて訪ねてくださった皆様へも、心より感謝申しあげます。
時に、開業当初より帰り際、お客様から「本当に良いお湯だった。」と、ありがたいお言葉を頂戴する事があり、今さらながら少々手前みそではございますが、お褒めいただいてるワケについて調べ、分かった事を、幾つかこちらへ表してみたいと思います。
まず特筆すべきは、温泉の成分中にある、硫酸イオンの値が非常に高いという点。
なんでもそれは、皮膚や粘膜から取り込まれる事により、血管を拡げ、血液の流れをよくする作用が認められているそうです。
次に、温泉分析表が示す、弱アルカリ性の効能について。
お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんが浸かっている羊水は、通常ph7.8ほどの弱アルカリ性の環境なのだとか。
故にお肌に優しく、お母様方からも、うちの小さい子も安心して(温泉に)入れられると、手放しのお喜びようです。
少し低めの泉温も手伝い、常連の女性客様をして、肩まで浸かっていても、半身浴をしているような心地よさなのだとか。
温度の低さを補い浴後、湯冷めし難い効果をもたらしているのは、適度に含まれている塩分の賜物らしく、これも適度にという所がポイントで、あまり濃くて塩っぱいと特に夏場、のぼせて疲労感が残るなどの弊害を及ぼす事も考えられます。
実はここ今日に至るまでには、多くの挫折を経験し、大変な苦労がございました。
温泉掘削中に、先の東日本大震災に遭い、一度は湧出していたお湯が止まり、再掘削には物心両面で大きな負担を強いられました。
上がってくるお湯も毎日のように違う顔を見せ、ある時にはモール系と思われる真っ黒いトロっとしたものであったり、反面お湯の通り道を塞いでいた粘土質の真っ白いものであったり、鉄分を多く含んだ真っ赤なものが上がってきた事もありました。
本当に一筋縄では行かない状況に陥り、最終的に源泉掛け流しを諦め、現実的に消毒循環式での営業を受け入れるしかない状況まで追い詰められましたが、温泉の神様は最後の最後に奇跡を起こし、本来の姿を現してくれたのです。
最後は少し話が主題から逸れましたが、今後とも何卒よろしくお願い申しあげます。
ここまでご覧になっていただき、誠にありがとうございました。